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つらつらと小説でも書いていこうかと。
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「なんやァ、変やの。ルーウェンには大方予想ついとる思たけどなあ」
口を尖らせつつも、平然とルーディッハがカップに茶を注ぐ。
「つかないよ。俺はルーディ、君に関しちゃ姫より詳しいつもりだけれど、それでも分かるわけないじゃないか」
半ば怒鳴るようにしてルーウェンは返す。
「んー……せやな。でも大丈夫や。その内分かる」
「はぁ!?」
「俺はアホやあらへんもん。姫さんの傍におるためやったら何でもする」
「……そりゃあ、そうだろうね。君、姫様命だし。
 でも、だからこそだよ。君が世話役を辞めさせられたのは、姫様の縁談のために、君が警戒されたからだ。何せ姫様の信頼を一身に担う男なのだから」
「うん。せやな。まあでも、あの王の命令なんてどーでもええし。小物やん」
 この国の王を小物と何の躊躇いもなく言い放つルーディッハに、ルーウェンは頭を抱えたくなる。
 だからこそ不思議なのに。身分が上の者でも、決して屈服せず、心からひざまずくのも姫だけである、この妙な男がどうして逃げるような行動をとったのか。
「だからさあ、そろそろ種明かしをしてくれたまえよ」
「秘密や秘密。気ぃ付いてみたらなんて事ないし」
「なんだよそれ。まさか縁談ぶちこわすつもりじゃないだろうね。
 そんな事をしたら、ジェイラードは何やってくるか分からないのだよ?」
ジェイラードは縁談相手の国である。隣国ではないものの、大陸に七つの国が並び立つこのご時世、油断は出来ない。
だからそのために政略結婚を、ということだったのだ。
「あははは。そんなわけあらへんて」
「そんなわけあるから心配なんだよ……」
快活に笑う友の声に頭を抱えつつ、ルーウェンは答える。
が、
「ぁ、もう時間や」
そういって軽くスルーされた。
「君ねえ……」
さらに言いつのろうとするが、気にしない様子でルーディッハは立ち上がり、紅茶美味かったわありがとさん、といって、ドアに向かう。
「まあもうちょいで分かるし。
 じゃあまたなー」
そのままルーディッハはひらひらと手を振って部屋を出て行ってしまった。
「……もう少しで分かる……?」
何が分かるというのだろうか。
全くもって謎な幼なじみのせりふにルーウェンは首をかしげる。
その数時間後、部屋の外、王城前に早馬が駆け込んでくるまで、その謎は晴れなかった。
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