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    <title>氷とジュース</title>
    <description>つらつらと小説でも書いていこうかと。</description>
    <link>http://sherbetrun.blog.shinobi.jp/</link>
    <language>ja</language>
    <copyright>Copyright (C) NINJATOOLS ALL RIGHTS RESERVED.</copyright>

    <item>
      <title>act.1-5</title>
      <description>ルーディッハが期間を果たした翌日、伝達魔法を受けた早馬による知らせがファイルードの王城、および貴族達の邸宅に駆け込み、結果的に、エリーナレベッカ姫の縁談が壊れることになる事を告げる知らせをもたらした。&lt;br /&gt;
縁談相手であるジェイラードの王子が出奔。その後行方しれずであり、現在も捜索が続いているが、同時に小規模な反乱が各地で頻発。&lt;br /&gt;
ジェイラードの情勢は一気に不安定となった、というのである。&lt;br /&gt;
大陸に乱立する７つの国全てに、大なり小なりパイプを持つシェラン家の次期当主たるルーウェンも、その知らせを受けとった。&lt;br /&gt;
そして、ルーディッハを自室へ呼び出した。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
ばたん、と扉を閉じて、ルーウェンは着席するまでを堪えきれずに言葉を発した。&lt;br /&gt;
「君は……なんてことを」&lt;br /&gt;
「何がや？　ルーウェン」&lt;br /&gt;
静かにルーディッハは笑う。&lt;br /&gt;
けれどそれは、やりたい事をやり遂げて満足した笑みだ。&lt;br /&gt;
「ジェイラードの国内を滅茶苦茶にしただろう」&lt;br /&gt;
ルーウェンは深呼吸し、叫び出しそうになるのを抑え、ルーディッハに椅子をすすめ、自分も着席する。&lt;br /&gt;
「……ぁ、やっぱ気ぃ付いた？」&lt;br /&gt;
椅子に座り、ルーディッハは悪戯に気付かれた子供のような表情を浮かべる。&lt;br /&gt;
けれど、全く、悪びれる所がない。&lt;br /&gt;
「気が付くさ。他の貴族は君の『力』を知らない。実力を、魅力を知らない。&lt;br /&gt;
　けれど俺は知っているんだ……！」&lt;br /&gt;
「うん。そやろなあ。&lt;br /&gt;
　でもなあ、俺も、こないにまでうまくいくとは思わんかったで、流石に。&lt;br /&gt;
　俺スゴい」&lt;br /&gt;
「……どうやったんだい？」&lt;br /&gt;
「なんて事ないで。反乱起こした奴らに知識吹き込んで、王子の方はアンジェリーナさんとこ送った。そんだけや」&lt;br /&gt;
「アンジェリーナ……王の姉？　アンジェリーナ公かい？」&lt;br /&gt;
「うん。美少年好きで、色々囲っとんの」&lt;br /&gt;
「なっ……！」&lt;br /&gt;
「で、ジェイラードの王子さんも年上好きで、色々遊びたいんやてや。&lt;br /&gt;
　利害が一致してな」&lt;br /&gt;
「それがどういう事か分かっているのかい！？」&lt;br /&gt;
「姫さんは見合いなんてせんでええ。せやからそうした。&lt;br /&gt;
　……別にええやん？」&lt;br /&gt;
くっ、とルーディッハが笑顔を浮かべる。&lt;br /&gt;
虫を嬲り殺してわらう、残酷な子供の笑顔。&lt;br /&gt;
「身の程知らずの国が一国、ボロボロになるだけや。どうってことないやろ？」&lt;br /&gt;
「そんな事はいけない。もし殿下が知ったらどうするんだ」&lt;br /&gt;
「嫌われるやろな」&lt;br /&gt;
琥珀の瞳が細められる。ルーウェンはその笑顔に、その瞳に、何も言えない。&lt;br /&gt;
「そん時は死ぬわ。死なんくても、多分なんも出来んようになるやろな」&lt;br /&gt;
ふっ、と、花が咲くように、笑顔の質が変わる。&lt;br /&gt;
まっすぐな笑みだった。慈しみと好意と、ありとあらゆる美しい感情を詰め込んだ、純粋な笑顔。&lt;br /&gt;
その笑みを浮かべている本人が、他国を内紛の渦へと巻き込んだ発端の人物であると知っていても、何も言えなくなるぐらいに。&lt;br /&gt;
もうええやろ、姫さんに旅の間の話教える約束しとんねん。&lt;br /&gt;
そう言って、何も言えないルーウェンを置いて、ルーディッハはさっさと出て行った。&lt;br /&gt;
残されたルーウェンはただ一人、座っているしかない。&lt;br /&gt;
あの友人は昔からこうなのだ。誰も逆らうことが出来ない。奇妙な迫力で目の前にいるもの全てを支配する。&lt;br /&gt;
唯一。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
『姫さん』だけが、ルーディッハを支配する。&lt;br /&gt;
『姫さん』だけが、ルーディッハを魅了する。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
『姫さん』だけが。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「………」&lt;br /&gt;
だが。&lt;br /&gt;
くっ、くっ、くっ、と、小さく笑い声が漏れる。&lt;br /&gt;
藍色の瞳を細め、綺麗な形の唇をゆがめ、ルーウェンは笑っていた。&lt;br /&gt;
「面白い」&lt;br /&gt;
ルーウェンは、実はルーディッハにある程度なら反駁できる。&lt;br /&gt;
出会ったとき、お互い友情を感じた。ああ、こいつは親友だ、と。それこそ一目惚れに近いぐらいに。&lt;br /&gt;
それ位の親友たるルーウェンの特権の一つが、『逆らう事が出来る事』なのだ。&lt;br /&gt;
けれどルーウェンは反駁しなかった。それだけの度胸があっても。&lt;br /&gt;
理由は一つだけだ。&lt;br /&gt;
ルーディッハの姫への想いを確認したかったからだ。&lt;br /&gt;
本当は責めるつもりなどない。ルーディッハがしなければルーウェンが自らの家の力でやっていた事だ。&lt;br /&gt;
ルーディッハは、姫の世話係であり、その身を守る騎士だ。&lt;br /&gt;
けれどその心には、まだ本人も無自覚な気持ちが眠っている。&lt;br /&gt;
それはまだでない。&lt;br /&gt;
けれど、想いは深まる。&lt;br /&gt;
「……面白い」&lt;br /&gt;
エリーナレベッカと、ルーディッハ。&lt;br /&gt;
ルーウェンは二人が大好きだ。&lt;br /&gt;
理由は色々あるけれど、その理由の一つが、『面白さ』だ。&lt;br /&gt;
二人が知らない、けれどルーウェンが知っている秘密を合わせると、とても面白いのだ。&lt;br /&gt;
使用人が夕餉の用意を告げにくるまで、ルーウェンの笑いはやむ事はなかった。</description> 
      <link>http://sherbetrun.blog.shinobi.jp/%E5%A7%AB%E3%81%95%E3%82%93holic/act.1-5</link> 
    </item>
    <item>
      <title>act.1-4</title>
      <description>扉を開けると、早速その扉自体が何かにぶつかり、人一人が通れる程の隙間しか空かなかった。&lt;br /&gt;
相変わらずやなあ、と独り言を呟き、ルーディッハは『姫さん』の部屋へ足を踏み入れる。&lt;br /&gt;
「……やっと来たか。遅い」&lt;br /&gt;
物語や他国の姫のように天蓋付きの広く豪華なベッドではなく、姫一人が寝るのにちょうど十分なだけの、シンプル極まりない簡素なベッドの上、ルーディッハから背を背けて寝そべっている人影から、鈴のような、しかしドスのきいた声がかかった。&lt;br /&gt;
それでもルーディッハは恐れない。彼にとってそれ位の事は当たり前で、愛らしくすらある。&lt;br /&gt;
自由に育てた（少なくとも彼はそう思っている）結果、こうなったまでの事。それが姫の個性で、たまらなく愛しい。&lt;br /&gt;
「ごめんなあ、姫さん。&lt;br /&gt;
　まあしかし、俺のおらん間にごっつ汚したなー」&lt;br /&gt;
床には扉からベッド間ではいける隙間がある。だが、それだけ。他は散々だ。&lt;br /&gt;
書類はファイルに入れて無造作に放り出してあり、コートもハンガーに掛けてタンスに入れるどころか、タンスの下の面に乱雑に積んである。&lt;br /&gt;
その他諸侯からの贈り物などは積み重なったまま開けられてもおらず、その上に姫お気に入りのズボンがどさりと重ねられていた。&lt;br /&gt;
本も本棚に収まっておらず、床に積み重ねられている。&lt;br /&gt;
とにかく、それ以外にも徹底的に物が散乱している。&lt;br /&gt;
まさに、足の踏み場もないというのはこういう事だ、というように。&lt;br /&gt;
池の飛び石のように、ベッドから机へはところどころ床の緑の絨毯が見えている。そこを軽やかに踊るように渡って姫は机へ行くのである。&lt;br /&gt;
それでも部屋が汚れているのは事実。&lt;br /&gt;
「なら整理しろ、ルーディ」&lt;br /&gt;
エリーナレベッカ姫がいつものようにそう告げた。&lt;br /&gt;
口調はもちろん、いつもより怒りを含んでいたけれど。&lt;br /&gt;
「はいよ」&lt;br /&gt;
いつもこの部屋を片づけるのはルーディッハだ。&lt;br /&gt;
ルーディッハは、一瞬琥珀色の目を細め、ベッドに背を向けて慣れた手つきで片っ端から物を片づけ始める。&lt;br /&gt;
「なー姫さん」&lt;br /&gt;
「なんだ」&lt;br /&gt;
片づけながらかけた声に、怒りを含んだ声が返る。&lt;br /&gt;
相当拗ねているようだ、と今までの経験から見当をつける。&lt;br /&gt;
『えろほん』とはなんだ、と聞いてきたのを、恥ずかしさからごまかしたとき以来だろうか。&lt;br /&gt;
「拗ねんといてや、そないに」&lt;br /&gt;
「誰のせいだと思ってる！」&lt;br /&gt;
「俺のせいやね」&lt;br /&gt;
「そうだ！　一ヶ月も何をしていたこの愚か者！&lt;br /&gt;
　お前がいないせいでどうなったと思ってる！」&lt;br /&gt;
「寂しくて寂しくて夜も眠れんかったとか？」&lt;br /&gt;
「そうだ！　私の睡眠時間を返せ！」&lt;br /&gt;
その言葉と同時に柔らかい枕が殺人的な勢いで投げつけられ、一瞬息が止まった。&lt;br /&gt;
「……姫さん？」&lt;br /&gt;
ベッドの方を振り向くと、赤い顔をして怒り心頭といった様子の王女が、起きあがってルーディッハを睨み付けている。&lt;br /&gt;
「赤ん坊の頃から十四年、ルーディ、お前と共にいたんだ。&lt;br /&gt;
　お前が私の傍にいるために一ヶ月も旅に出ていたのだということぐらい分かっている。当たり前だからな！」&lt;br /&gt;
ふん！　と高い声。傲慢だが、ルーディッハにとっては小鳥のさえずりより美しい言葉。&lt;br /&gt;
「お前なんかな、大好きだ。大好きだから帰ってくると分かっていても寂しくって胸がイヤな感じになるんだ！&lt;br /&gt;
　しかも部屋はぐちゃぐちゃになるし、どうしてくれるんだお前は！」&lt;br /&gt;
まるで敵に決闘でも申し込むような勢いで彼女は文句を叫び、そのまま布団に再び伏せる。くすんだ金髪が宙に舞った。&lt;br /&gt;
ああ、なんて可愛いんや。&lt;br /&gt;
ルーディの胸一杯に愛情が満ちる。部屋のことは自己責任だが、そう言う気は毛頭ない。&lt;br /&gt;
「……ごめんな、姫さん」&lt;br /&gt;
「……ふん。&lt;br /&gt;
　謝罪はいい。三週間裏山に籠もって修行した回し蹴りの痛み、三日かけてとくと味わうがいい。&lt;br /&gt;
　それよりも言うことがあるだろう」&lt;br /&gt;
「ほえ？」&lt;br /&gt;
修行云々は軽くスルーして、惚けた声を出したルーディッハに、王女の喝が飛ぶ。&lt;br /&gt;
「人付き合いの基本は！？」&lt;br /&gt;
「挨拶です！」&lt;br /&gt;
身体の全ての細胞が引き締まるその声に、思わず背筋をぴんと伸ばして答える。&lt;br /&gt;
そして、気が付いた。&lt;br /&gt;
「……姫さん」&lt;br /&gt;
ふ、と胸のどこかと顔が緩む。&lt;br /&gt;
王女は再び起きあがり、憮然とした顔でルーディッハを見つめていた。&lt;br /&gt;
「ただいま、……我が主、エリーナレベッカ」&lt;br /&gt;
「……お帰り」&lt;br /&gt;
再会の喜びに満ちた、意志の強い輝きを放つ瞳を細め、王女が静かに満足そうな微笑をその美しい顔にたたえる。&lt;br /&gt;
ルーディッハには、それは女神にも勝って綺麗なものに見えた。&lt;br /&gt;
ふい、とそのまま王女はほほを赤く染めて、背を背けてしまう。&lt;br /&gt;
ゆっくり近づいて、後ろから抱きしめると、それに対する抵抗はない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
えへへ、と笑うと、何がおかしい、と怒鳴られた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
姫といる時間は至福だ。何を犠牲にしても良い、とルーディッハは思う。&lt;br /&gt;
ルーディッハの幸せは姫だ。姫のためなら何でもする。&lt;br /&gt;
そう。&lt;br /&gt;
本当に、何でも。</description> 
      <link>http://sherbetrun.blog.shinobi.jp/%E5%A7%AB%E3%81%95%E3%82%93holic/act.1-4</link> 
    </item>
    <item>
      <title>act.1-3</title>
      <description>「なんやァ、変やの。ルーウェンには大方予想ついとる思たけどなあ」&lt;br /&gt;
口を尖らせつつも、平然とルーディッハがカップに茶を注ぐ。&lt;br /&gt;
「つかないよ。俺はルーディ、君に関しちゃ姫より詳しいつもりだけれど、それでも分かるわけないじゃないか」&lt;br /&gt;
半ば怒鳴るようにしてルーウェンは返す。&lt;br /&gt;
「んー……せやな。でも大丈夫や。その内分かる」&lt;br /&gt;
「はぁ！？」&lt;br /&gt;
「俺はアホやあらへんもん。姫さんの傍におるためやったら何でもする」&lt;br /&gt;
「……そりゃあ、そうだろうね。君、姫様命だし。&lt;br /&gt;
　でも、だからこそだよ。君が世話役を辞めさせられたのは、姫様の縁談のために、君が警戒されたからだ。何せ姫様の信頼を一身に担う男なのだから」&lt;br /&gt;
「うん。せやな。まあでも、あの王の命令なんてどーでもええし。小物やん」&lt;br /&gt;
　この国の王を小物と何の躊躇いもなく言い放つルーディッハに、ルーウェンは頭を抱えたくなる。&lt;br /&gt;
　だからこそ不思議なのに。身分が上の者でも、決して屈服せず、心からひざまずくのも姫だけである、この妙な男がどうして逃げるような行動をとったのか。&lt;br /&gt;
「だからさあ、そろそろ種明かしをしてくれたまえよ」&lt;br /&gt;
「秘密や秘密。気ぃ付いてみたらなんて事ないし」&lt;br /&gt;
「なんだよそれ。まさか縁談ぶちこわすつもりじゃないだろうね。&lt;br /&gt;
　そんな事をしたら、ジェイラードは何やってくるか分からないのだよ？」&lt;br /&gt;
ジェイラードは縁談相手の国である。隣国ではないものの、大陸に七つの国が並び立つこのご時世、油断は出来ない。&lt;br /&gt;
だからそのために政略結婚を、ということだったのだ。&lt;br /&gt;
「あははは。そんなわけあらへんて」&lt;br /&gt;
「そんなわけあるから心配なんだよ……」&lt;br /&gt;
快活に笑う友の声に頭を抱えつつ、ルーウェンは答える。&lt;br /&gt;
が、&lt;br /&gt;
「ぁ、もう時間や」&lt;br /&gt;
そういって軽くスルーされた。&lt;br /&gt;
「君ねえ……」&lt;br /&gt;
さらに言いつのろうとするが、気にしない様子でルーディッハは立ち上がり、紅茶美味かったわありがとさん、といって、ドアに向かう。&lt;br /&gt;
「まあもうちょいで分かるし。&lt;br /&gt;
　じゃあまたなー」&lt;br /&gt;
そのままルーディッハはひらひらと手を振って部屋を出て行ってしまった。&lt;br /&gt;
「……もう少しで分かる……？」&lt;br /&gt;
何が分かるというのだろうか。&lt;br /&gt;
全くもって謎な幼なじみのせりふにルーウェンは首をかしげる。&lt;br /&gt;
その数時間後、部屋の外、王城前に早馬が駆け込んでくるまで、その謎は晴れなかった。</description> 
      <link>http://sherbetrun.blog.shinobi.jp/%E5%A7%AB%E3%81%95%E3%82%93holic/act.1-3</link> 
    </item>
    <item>
      <title>act.1-2</title>
      <description>「それでなあ、もう姫さんはごっつう綺麗でなあ。&lt;br /&gt;
　あの金髪！　サファイアの瞳！　一ヶ月ぶりでも、相変わらずの輝き！&lt;br /&gt;
　思わず見とれて立ちつくしてもたわ～」&lt;br /&gt;
「その後にあの激烈回し蹴りが飛んでもかい？　とんだ姫様馬鹿だね君は」&lt;br /&gt;
　いつも通りの親友の言動に、慣れきった態度でルーウェン＝シェランは返す。&lt;br /&gt;
「姫さん馬鹿……ええ褒め言葉や……」&lt;br /&gt;
　決して、褒め言葉ではない。&lt;br /&gt;
　だがそう言ってもこの男は全く意に介さないだろう、とルーウェンは思う。&lt;br /&gt;
　ルーウェンと向かい合って茶菓子を味わいつつ、そんな言動を遠慮せずにぶちかましているのは、ルーディッハ＝ブラック。ルーウェンの十年来の親友だ。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　代々王族の護衛を務めてきた家の、次期当主候補という立場にあり、現在１９歳。&lt;br /&gt;
　亜麻色の髪、琥珀の瞳、精悍な体と、掘りの若干深いが綺麗な顔立ち。&lt;br /&gt;
　その上、なんだか人の目を引く雰囲気を持っており、十九歳ながら色気抜群、並々ならぬもて方をしている。&lt;br /&gt;
　更に、一度読んだ書物は完璧に暗記し、その他理系の学問にも秀でているという、一般人から見れば人生をなめきった野郎である。&lt;br /&gt;
　そして今日、旅から帰ってきて姫に強烈な回し蹴りをくらった後にもへらへらとルーウェンの自室で高級茶を遠慮なくがぶ飲みするような、大層図太い奴でもあった。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
「……自分が教え込んだクセに。どうして蹴りをくらう羽目になるのかね」&lt;br /&gt;
茶を飲み干してルーウェンは問う。&lt;br /&gt;
「いやー、俺一ヶ月も姫さんの傍に居らんかったからなあ。&lt;br /&gt;
　まあ……当然やないの？」&lt;br /&gt;
　にかっ、と変にさわやかに笑うルーディッハの一言を聞き、ルーウェンはため息をついた。&lt;br /&gt;
「だからね。&lt;br /&gt;
　それが分からないって言ってるのだよ」&lt;br /&gt;
「うん」&lt;br /&gt;
　ルーディッハが平然とした顔で茶を飲み干す。&lt;br /&gt;
　見ていて釈然としないその様子に、ルーウェンはいらつき、音を立ててカップを置いた。&lt;br /&gt;
　陶器のぶつかる高い音。&lt;br /&gt;
「だから、分からないと言っているだろう？&lt;br /&gt;
　どうして君は『一ヶ月も姫様の傍にいなかった』んだ。&lt;br /&gt;
　明日で君は、世話役を辞めねばならないのに……！」</description> 
      <link>http://sherbetrun.blog.shinobi.jp/%E5%A7%AB%E3%81%95%E3%82%93holic/act.1-2</link> 
    </item>
    <item>
      <title>act.1-1</title>
      <description>　ファイルードの第一王女・エリーナレベッカ、通称エリーナの回し蹴りは、鋭さ・速度・衝撃・放つ前の予備動作が分からない、の四拍子が揃った、相当キツイものである。&lt;br /&gt;
　片方は青、片方は茶の瞳を凛と細めて相手をにらみつけ、胸まであるくすんだ色の金髪を華麗に宙に舞わせ、綺麗にバランスの取れた体をしならせ、彼女はそれを放つ。&lt;br /&gt;
　その姿は華麗で、見ている分には『ああ、見事だ』程度で済むのだが、くらう方は本気でたまったものではない。かわす事ができなければ、それを仕込んだものと容赦のない王女を恨みつつ、諦めるしかない。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　だが、しかし。&lt;br /&gt;
　エリーナに回し蹴りを仕込んだ張本人のルーディッハ＝ブラックは、今まさにそれを受けていた。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　ぎしり、と体がイヤな音を立てる。一応ルーディッハは攻撃に合わせて飛びすさりはしたのだが、それも少ししか意味はなかった。&lt;br /&gt;
　体の中に、たとえようのない衝撃が響く。&lt;br /&gt;
　そして、声にならない声を上げ、地面に膝をついてしまう。&lt;br /&gt;
　「ひっ、姫さん……」&lt;br /&gt;
　喘ぎながらも彼女を呼ぶが、&lt;br /&gt;
　「この馬鹿者が」&lt;br /&gt;
　青い瞳が細められ、冷たく一言を投げかけられるだけ。&lt;br /&gt;
　そのまま『姫さん』ことエリーナは踵を返し、凛とした風格を漂わせ、淀みも躊躇いもない歩みできりりと去ってゆく。&lt;br /&gt;
　「……っ」&lt;br /&gt;
　ルーディッハには、その理由は分かった。とてもよく分かるのだ。&lt;br /&gt;
　昔から、ずっと一緒にいるのだから。&lt;br /&gt;
　そしてルーディッハが蹴られる理由は、彼らの間柄に置いて、非常に当然である事だった。&lt;br /&gt;
　だがしかし、それで良いと言えばいいのだが、やはり回し蹴りはキツイ。&lt;br /&gt;
　周りが心配そうに覗き込むが、まだエリーナが去っていないので近づけないようだ。&lt;br /&gt;
　それにしても、とルーディッハは思う。&lt;br /&gt;
　（姫さん綺麗やったなあ……）&lt;br /&gt;
　あのくすんだ金髪。真珠の肌。サファイアの瞳。&lt;br /&gt;
　綺麗だった。とても綺麗だった。たとえ一ヶ月ぶりに会っていきなりの回し蹴りでも、それを放ったのはエリーナだ。回し蹴りの為であっても、ルーディッハに会いに城の門まで来てくれた。&lt;br /&gt;
　ああ、会えてめっちゃ嬉しい。&lt;br /&gt;
　ルーディッハは心の中で歓喜に震えながら、ふっつりと気を失った。</description> 
      <link>http://sherbetrun.blog.shinobi.jp/%E5%A7%AB%E3%81%95%E3%82%93holic/act.1-1</link> 
    </item>
    <item>
      <title>act.0-0</title>
      <description>　俺が姫さんと出会った時のことを、姫さんは朧気にしか覚えとらへんという。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　けどもうそれだけでビックリや。朧気でも覚えとるっちゅうのは驚異的や。&lt;br /&gt;
　もしかしたらどっかで刷り込まれたんかと言うてみたら怒鳴られたんで、俺はそれがホントやと思うことにしとる。&lt;br /&gt;
　対する俺は、その日のことをよう覚えとる。&lt;br /&gt;
　きらきら陽が眩しゅうて、全てのものが色とりどりに鮮やかやった。&lt;br /&gt;
　なんやヘタレそうなおっさんに挨拶しとる親父の手を振りほどき、待ちきれずに俺は走った。&lt;br /&gt;
　道は分かった。&lt;br /&gt;
　風が、空気が、草が、大地が、俺の直感となって教えてくれた。&lt;br /&gt;
　姫さんは両手開きのドアの向こうにおった。&lt;br /&gt;
　世話係のマイヤーさんに揺りかごに乗せられ、きらきらとその金髪を輝かせとった。&lt;br /&gt;
　その姫さんにまっすぐかけてって。&lt;br /&gt;
　マイヤーさんから奪うようにして、姫さんを腕に抱いた。&lt;br /&gt;
　柔らかい体。心地よい鼓動。綺麗な青と茶の瞳。&lt;br /&gt;
『あいたかった』&lt;br /&gt;
　その言葉が自然に胸にせり上がって喉から飛び出した。&lt;br /&gt;
　それに応えるように、姫さんは微笑んだ。微笑んで、俺の方に手をさしのべた。&lt;br /&gt;
　気がついたら泣いとって。&lt;br /&gt;
　この日のことは忘れられんやろうと、俺は思った。&lt;br /&gt;
　姫さんは本来なら何も覚えてへん赤ん坊で、俺は５歳で。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　それでも俺と姫さんは、そん時からずっと一緒でそばにいる。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
　……いくら何でも、二十四時間三百六十五日ってわけにはいかんかったけどな。くやしいことに。</description> 
      <link>http://sherbetrun.blog.shinobi.jp/%E5%A7%AB%E3%81%95%E3%82%93holic/act.0-0</link> 
    </item>
    <item>
      <title>姫さんholic　目次</title>
      <description>騎士×姫　の恋物語…のはず…。&lt;br /&gt;
お転婆（？）姫と、その幼なじみにして護衛騎士の青年の物語。&lt;br /&gt;
&lt;br /&gt;
&lt;table border=&quot;2&quot; style=&quot;color:#565656;font-size:90%;text-align:left;border:#00ffff solid 1&quot;&gt;&lt;tr&gt;&lt;td&gt;prologue&lt;/td&gt;&lt;td&gt;&lt;a href=&quot;http://sherbetrun.blog.shinobi.jp/Entry/4/&quot;&gt;0-0&lt;/a&gt;&lt;/td&gt;&lt;/tr&gt;&lt;tr&gt;&lt;td&gt;act.1 帰還&lt;/td&gt;&lt;td&gt;&lt;a href=&quot;http://sherbetrun.blog.shinobi.jp/Entry/7/&quot;&gt;1-1&lt;/a&gt; &lt;a href=&quot;http://sherbetrun.blog.shinobi.jp/Category/5/3/&quot;&gt;1-2&lt;/a&gt; &lt;a href=&quot;http://sherbetrun.blog.shinobi.jp/Category/5/4/&quot;&gt;1-3&lt;/a&gt; &lt;a href=&quot;http://sherbetrun.blog.shinobi.jp/Category/5/5/&quot;&gt;1-4&lt;/a&gt; &lt;a href=&quot;http://sherbetrun.blog.shinobi.jp/Category/5/6/&quot;&gt;1-5&lt;/a&gt;&lt;/td&gt;&lt;/tr&gt;&lt;/table&gt;</description> 
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      <title>はじめに</title>
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2007.8.13&lt;a href=&quot;http://sherbetrun.blog.shinobi.jp/Category/5/6/&quot;&gt;『姫さんholic』act.1-5更新&lt;/a&gt;&lt;br /&gt;
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